No.428 涙が出るほどいい話 より
- 799 :癒されたい名無しさん :04/09/25 04:21:52 ID:F0r2rWGf
「沖縄に行かない?」
いきなり母が電話で聞いてきた。
当時、大学三年生で就活で大変な頃だった。
「忙しいから駄目」と言ったのだが母はなかなか諦めない。
「どうしても駄目?」「今大事な時期だから。就職決まったらね」
「そう・・・」母は残念そうに電話を切った。
急になんだろうと思ったが気にしないでおいた。
それから半年後に母が死んだ。癌だった。
医者からは余命半年と言われてたらしい。
医者や親戚には息子が今大事な時期で、心配するから連絡しないでくれと念を押していたらしい。
父母俺と三人家族で中学の頃、父が交通事故で死に、パートをして大学まで行かせてくれた母。
沖縄に行きたいというのは今まで俺のためだけに生きてきた母の最初で最後のワガママだった。
叔母から母が病院で最後まで持っていた小学生の頃の自分の絵日記を渡された。
パラパラとめくると写真が挟んであるページがあった。
絵日記には
「今日は沖縄に遊びにきた。海がきれいで雲がきれいですごく楽しい。
ずっと遊んでいたら旅館に帰ってから全身がやけてむちゃくちゃ痛かった。」
・・・というような事が書いてあった。すっかり忘れていた記憶を思い出す事が出来た。
自分は大きくなったらお金を貯めて父母を沖縄に連れていってあげる。
というようなことをこの旅行の後、言ったと思う。
母はそれをずっと覚えていたのだ。
そして挟んである写真には自分を真ん中に砂浜での三人が楽しそうに映っていた。
自分は母が電話をしてきた時、どうして母の唯一のワガママを聞いてやれなかったのか。
もう恩返しする事が出来ない・・・
涙がぶわっと溢れてきて止められなかった。
- 72 :1 :04/05/04 03:22 ID:6QqozloT
- 俺が今よりも馬鹿で、世の中に絶望してて、どうしようもなく後ろ向きだった頃、友人とカナダに旅行に行った時の話。
現地に着いてホテルのチェックを済ませた後すぐに当初の目的であるスノボーを楽しむ為雪山へ。
友人4人とギャーギャー言いながら滑ってると、現地のおばさん(50代位)と接触事故。
完全によそ見してた俺の責任で怪我させてしまった。
すぐに友人が救急隊を呼んで事情を説明をしておばさんを病院に連れていくことに。
診断結果は左足首の捻挫及び左肩の打撲。
おばさんはずっと号泣してるし、面倒臭せーなーと思いながら英語の喋れる友人に通訳してもらいながらひたすら謝った(俺は[ソーリー]の一点張り)。
おばさんの旦那さんも病院に来たと聞いたので、一応そっちにも謝っとくかって事で病院のロビーへ。
息をきらしながら受付で病室を訪ねてたおじさん(旦那さん)は俺を一目見て
「!!!!!?」
何故か驚愕の表情。
いっぱいいっぱいになってた俺はそれをスルーして適当に謝ってた。
そしたらおじさんはいきなり俺の肩をガッシリ掴んで何か英語でまくし立てて軽くパニクってる。
- 73 :2 :04/05/04 03:23 ID:6QqozloT
- 友人に通訳してもらうと、
「もっと顔を見せろ!」「ああ神様!」とか言ってるとの事。
「ハァ?」な俺は頭のおかしいおっさんだと思い軽くウンザリ。
とりあえず病室へってことで少し落ち着いてみんなでおばさんの元へ。
その間もおじさんは俺の腕を掴んだまま離さない。
「あ−相当怒ってるな−」「もう一回ちゃんと謝っとくか」と思い、病室に戻ってから二人を前にして改めて頭を下げた。
[金とか要求されるとされるとこっちも堪らない。誠意ある謝罪(のフリ)で切り抜けよう。]
そんな事しか頭にない俺は本当に腐ってたと思う。
「落ち着いて聞いてくれ」
おじさんの話を例によって友人に通訳してもらう。
「事故の事は別に怒ってない、悪いのは完全にこちらの方だ。」
うわー!お人よしだねー!俺ならしっかり金取るけどなー!
でもまあ助かったかな?丸くおさまりそうな状況に俺は心の中で舌を出した。
「そんなことより聞きたいことがある。」
「君の顔をもっとよく見せてくれ」
ずっと下を向いていた俺は二人に近づいてちゃんと顔を見せた。そしたらまた、
「おお神様!」とか
「なんてこと!」とか言って泣いてんの。
- 74 :3 :04/05/04 03:25 ID:6QqozloT
- どうやら俺が誰かに似てるらしい。
「君は私たちの息子にそっくりだ!」
その後に聞いた話に今度は俺がビックリさせられた。
マークイン夫婦(おじさんとおばさんの事ね)には息子さんがいたらしい。
息子さんは雪山が好きで学校の登山サークル(って言うのかな?)に所属してて、よく雪山に登ってた。
それで90ヵ月前に遭難。
マークインさん達も大金はたいて捜索隊に探してもらったんだけど、遺体さえ戻ってきてないらしい。
絶望して生活も荒れてマークインさん達も喧嘩が絶えなかったらしい。
それで全てに嫌気がさしたおばさんは最近自殺未遂を繰り返していておじさんも悩んでたらしい。
実際おばさんの手首には無数の躊躇い傷があった。
それで今日もおばさんは雪山で凍死自殺する為雪山まで来てたらしい。
息子さんのスキー板で最後の思い出に滑っていたところ、息子にソックリな日本人を発見。
無意識にフラフラとこちらに近づいてしまい、結構なスピードで滑っていた俺と接触してしまったらしい。
どれだけ息子を愛していたか、息子を失ってどれだけ悲しかったか、死に顔さえも見れずどれだけ辛かったか、マークインさん夫婦は話してくれた。
- 75 :4 :04/05/04 03:30 ID:6QqozloT
- 話を聞いてて俺はいつの間にかボロボロ泣いてた。
俺には親がいなかったから。
物心ついたときから両親蒸発してて、俺は爺さん婆さんに育てられた。
二人とも俺に優しかったが、俺は歪んでいった。
「どうせ両親のいない人間なんて幸せになれる訳無い」ずっとそう思ってた。
「親なんていてもいなくても同じ。どうせほかの親もそう思ってんだろ。」そんな気持ちがいつも漠然とあった。
でもマークインさん夫婦の話を聞いて本当の親心を知った気がした。
でもその場ではどうしていいかわからずにワンワン泣くしかなかった。
自分の親の事を考えた。
マークインさん達の事を考えた。
息子さんの事を考えた。
俺の事を考えた。
クソみたいな自分が恥ずかしかった。
頭の中がグチャグチャになった。
またワンワン泣いた。
あれから二年たったけど、今でもマークインさん達とメールのやりとりは続いている。
あれから俺も少しはまともになった気がする。
今は年に一回二人に逢いに行くのが楽しみでコツコツ貯金もしてる。英会話も習い始めた。
おじさん、おばさん俺をどん底から救ってくれてありがとう。
あなた達との出会いが俺にとって最高の宝物です。
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