PickUp #228  2003.07.29   <- Prev  Home   Next ->


No.228 思い出の一本 (   )y−o O O より

128 名前:名無しは20歳になってから 投稿日:03/01/14 20:34
漏れの年上の彼女は煙草を吸う。
漏れは吸わない。煙草は嫌いだ。

ある日漏れも彼女の煙草を一本吸おうとした
彼女は「やめとき…」と言った

漏れは彼女を愛しているし、多分世界で一番彼女のことを分かってると思う
だけど煙草という点に関して、漏れは彼女の気持ちが分からない
子供扱いされたようで意地になって、一本吸った。

火をつけて、深々と吸い込んだ。
吐き出した途端、ゴホゴホとむせた
思いっきり吸い込んだから、思いっきりむせた
彼女は漏れの背をなでながら、小さく「馬鹿…」と言った

「煙草を吸うようになったことを後悔したことがあるか?」

そう漏れは聞いた。彼女は頷いた。
「…特に、煙草を吸わない人と付き合っていると、吸うことを覚えなきゃよかったと後悔する」

窓の外を見ながらつぶやいた彼女は何を思っていたのだろう
ずっと昔、漏れのように煙草を吸って初めて咳き込んだ日のことを思い出しているのだろうか
それともその時横にいて、背中をさすった男の事でも思い出しているのだろうか

煙草。漏れの愛する彼女にこんな悪癖を教えた過去の男と
悪癖と知りつつも男の言うがままに煙草を覚えた彼女の過去と…

なんだかよく分からないが、妙に嫉妬した

まだ喉は、ひりひりしていた
だから漏れは煙草が嫌いだ。

134 名前:名無しは20歳になってから 投稿日:03/01/19 18:04
その日は寒い日だった。
残業で遅くなった帰り道、駅前で吸殻を拾っている老婆がいた。
その老婆が掃除している横で、タバコを投げ捨てる若い男…。

老婆は一瞬哀しそうな表情をし、また吸殻を拾い続けていた。

142 名前:名無しは20歳になってから 投稿日:03/01/21 04:53
風もなく、良い天気だった日に、オヤジが死んだ。
丁度俺の愛用のタバコだったセッタがなかったので、オヤジが好きだったキャビンのスパマイを買ってきた。

オヤジがタバコに火をつけようとしたときに、よくライターの火を吹き消してイタズラした思い出が蘇る。
スパマイを吸おうと思い、ライターに火をつけたら、とつぜん風が吹いた。オヤジがタバコの火を吹き消した気がした。
気がしたんじゃなく、たぶんそうなのだろう。

182 :ユウイチ :03/03/16 08:29
定期検診のレントゲンで、肺にあやしい影が見つかったらしい。
1日20本程度の平均的なスモーカーだった親父だが、たまに変な咳をする事があった。
食事の時、笑顔で「これがお前達との最後の晩餐になるかも知れんぞ」
などと冗談を言い合ったが、みんな嫌な予感はあったと思う。
嫌な予感は的中した。進行した肺ガンだった。すでに手遅れだった。
病状を聞いた親父は、無駄な治療を一切拒否した。
タバコもやめる事はしなかった。
学校帰りに病院に見舞いに行く事が日課になった。
その日はたまたま、母親も姉も何かの用事で病院に来ていなかった。
病院の屋上で、夕暮れの空を2人で眺めた。
「ユウイチ、おまえタバコ吸ってるだろ?」、親父が言った。
当時高1だった俺だが、タバコは中3から吸い始めていた。
「吸っている。バレてたんだ。」、死にゆく人に嘘はつけなかった。
「母さんから聞いたんだ。ベットの下に隠してるだろ。もっといい隠し場所にしろよな。」
親父は笑い、俺も笑った。

183 :ユウイチ :03/03/16 08:29
それから親父は持っていたタバコを差し出して、「一緒に吸うか?」と、タバコを勧めてきた。
俺はタバコを貰い、親父はそのタバコに火を点けてくれた。
俺は大きく煙を吸い込むと、夕焼けの空に向って吐いた。
そして親父は言った。
「ユウイチ、俺の人生の最後のお願いを聞いてくれないか?」
俺はゆっくりうなづいた。
「タバコから得られるものなど何もないんだ。ただ奪っていくだけなんだよ。
その1本をおまえの人生の最後の1本にしてくれないか?」
「わかった。約束する。」
正直、そろそろやめてもいいかな?と思っていた頃だった。
それからしばらくして親父は死んだ。
あれから13年、俺は約束を守り続けている。
もちろんこれからも守り続けるつもりだ。

189 :名無しは20歳になってから :03/03/27 00:47
漏れが高1のとき友人が学校を辞めた。
毎日放課後になると学校の近くの神社で一緒に煙草を吸ってた友人だった。
学校を辞めた日、神社で二人だけで静かに煙草を吸ってた。
30分ほどしたら俺の煙草が空になった。
友人は無言でラークを一本出した。
俺は無言で受け取った。
俺がラークに火をつけようとしたら友人はライターをくれた。
ただの100円ライターだけど大事に受け取った。
いつもと同じように途中で別れて帰ったがあの日以来神社で会うことは無くなった

それから何年かして同窓会が開かれた。
あいつは来なかった。
だけど12時を過ぎた頃俺の携帯が鳴った。
あいつからだった。それから1時間ほどして神社で会った。
髭も生えてもう堂々と煙草を吸える年になった二人で神社で吸った。
今度は友人の方の煙草が先に無くなった。
俺はピースとライターを渡した。
二人して笑った。
思い出話はしなかったがあの日の思い出は二人とも覚えてることがわかった。

269 :名無しは20歳になってから :03/05/26 01:45
高二の時に親友だったヤツが死んだ。
そいつの墓に家族で墓参りにいったんだ。
死んだそいつの好きだったラッキーストライクを買って行ってやった。
家族で墓の前に座って、親が線香をあげていた時に、俺は買っていったラッキーストライクを開けて、1本取り出した。
初めて親の前で吸った。親は俺が吸っているのを知らなかったので、ビックリしていた。
俺は泣きながら、「今まで黙ってたけどさ、こうやって俺とコイツでタバコ吸いながらいろいろ語ったんだよ」と俺は言った。
親はなんだか複雑な表情をしていたが、怒りはしなかった。




     

PickUp #228  2003.07.29   <- Prev  Home   Next ->



SiteOwner:hiroshu29[atmartk]hotmail.com
Copyright (C) 2002-2005 泣ける2ちゃんねる