PickUp #363  2005.05.21   <- Prev  Home   Next ->


No.363 旅先で出会った、忘れえぬ人たち☆12 より

528 :バリマシスレ848 :2005/04/13(水) 23:05:05 ID:NYL68A/p
うちは俺が小さい頃に両親亡くなって、姉貴がずっと俺の面倒みてくれてたん。
で、俺が去年独立して中古車屋を興して商売始めたのを観て随分喜んでた。

姉貴もバイクの後ろに乗るのが好きで、ZX11に乗ってた頃は良く後ろに乗せてたんだけど
SPγに乗り換えてからは乗せられなかったのよ。
それが、ちょっと前にユメタマに乗り換えた時、久しぶりに2ケツしたいと言ってきた。
んで、二人して糸魚川のちょっと良いレストランまでツーリング。

そのレストランで姉貴が、「○○も大きくなって独立したし、私も結婚しようと思うんだ」

俺の面倒見るために嫁に行き遅れてた姉貴、マジで感謝してるよ。
帰りの運転、前がぼやけて怖かったわ。

214 :774RR :05/01/26 18:46:27 ID:FeGOQluH
秋が始まる時期、5年間同棲した男が他に女つくって家を出てった。
別に籍いれようとか子供作ろうとか思っていたわけじゃなく
ただダラダラと同棲してたから、しょーがないかなって。

彼の荷物が全部運び出されて、ガランとした部屋を見てたら
なんかもう、どうでもよくなってきて
バイクの後ろにテントと寝袋・少量の生活必需品をくくりつけて、ぶらりと走りにでた。
もちろん、行くあてなんか無し。

地図も開かず気分だけで走り続けて、たどり着いたところは
春は満開の桜が町中に咲き乱れることで有名な、東北のある田舎町。
町の中を流れる川のほとりにバイクをとめて、ボーっとしてた時
「ねぇさん、どこからきた?」と声をかけられた。

見ると、おじさんやおばさんが数人でビール片手に焼肉パーティ。
「今の季節にここにきたって、何も見るものはないよ。」
「何しにきたんだい?」
結構アルコールが入っているのか、陽気に話しかけてくる。

そういえば走り出してからしばらく、会話ってものをしていなかったな。
こんな時って、なんか気の利いたこと返さなくちゃいけないんだろうなーと思いながら
口をついてでたのは
「いえ、特に何ってわけでもなく・・・失恋旅行で(自嘲)」

あ、やばいわ、ひかれるなーこりゃ・・・と思った次の瞬間
おじさんがグワッっと私の肩を掴む。
「なんだぁぁぁ?!」と驚いて固まってる私を、焼肉パーティの輪の中に引きずり込むおじさん。

・・・そこからは「飲め」「食え」と、リバースしそうになるくらいまで歓待をうけ
「いやー、おねぇさんまだ若いから(実はそうでもないんだけど・・・)次があるわー」
「そうだ、この町に住めばいい。確か、あの角の○○さんとこの息子がいい男で・・・」と
嫁ぎ先の手配までしてくれる勢い。
ひとしきり盛り上がったあと、お礼を言って輪を後にした。

その夜寝袋にくるまって、川原での出来事を反芻してたら
なんか俄然元気がでてきた。
同棲相手に出て行かれて、ものすごく孤独になった気がしてたけど
まだまだ世界は自分を見捨てちゃいないな、と。

それから部屋に戻って身辺整理をして、新しい環境に踏み出して今に至る。
今ジブンが元気なのは、あの時の田舎町のおじさん達のおかげかも。

443 :1/2くらい :2005/04/05(火) 18:06:11 ID:CtSeLBGz
今から3年前の夏。
久しぶりに出たボーナスでマジェ125購入。近所で軽く慣らし運転も終え、
ちょっと遠出で山の方へ行ってみた。
対向車も後続車もめったに来ない快走路。半袖で風も気持ちいー。
徐々に調子に乗り、どこまで急ブレーキ、ハンドル切れるかなーワクワク
こけました _| ̄|○
マジェは2m位畑に通ずる土手を滑って落ち、押し上げようとしたけど、
無茶苦茶重くて上がらず、俺は道路上で胡座組んで通行車を待ってた。
右の肘から先と手の平ズル剥け、足痛い。我ながら馬鹿な服装で来たなー
と段々後悔していると、対抗車線からオフ車がきた。
「大丈夫ですか?コケてどのくらいです・・・?」女の声だった。
オフ乗りとは、完全装備でダート好きor舗装路ファッションライダー
って偏ったイメージから、俺が馬鹿にされるか、俺が相手を馬鹿にと思った。
「大丈夫ですからw」相手は長袖のジャケットに、ジーパンとフルフェ。
後者だろーと軽く威勢を張ってみる。
「どこらへんが?」
最初の声と打って変って、殺伐とした雰囲気発生。下手に抵抗できない感じ。
バックパックからガーゼとか三角巾とか出して、応急処置してくれた。
ジャケットのワッペンに、よく見るバイク板のアドレスが(汗
この人、バイク板の住人かよ・・・これはネタか!?ネタにされるのか。
「バイク、アレですか」
「・・・・・・ハイ」
マジェを起して、道路の上まで押し上げてくれた。俺、突っ立って見てた。
今元気なのは、アドレナリンハイなだけ。誰か車を持ってる知り合いに来て
もらった方がいいと言われ、電話してみるが平日な事もあり、すぐに動ける
奴が見つからない。

俺は自走は出来そうだから大丈夫と言って、その場から逃げ出そうとした。
では、近くの病院まで同行しましょうと彼女。
本当に大丈夫だからと言い続け、もういいから、有難うと言ってマジェに
跨って逃げた。
ミラーで後ろを見ると、なんと彼女が追ってくる。
少し速度を上げただけで彼女が追うのをやめると、ホッとしたと同時に、
助けてくれた人になんて事をしたんだろうかと、物凄い後悔が。
30分くらい走った後でUターン。
彼女を探したけど、見つからない。
2時間くらいウロウロして、諦めて病院へ。
治療は無茶苦茶痛くて、足の骨も一箇所折れてた。後悔も一層深まる。

その日の晩、バイク板でネタにされてないかと探してみるが、ない。
彼女の乗ってた車種のスレに、書き込んでみた。
2日後、返事があった。
「マジェスレに書いた方が良いのかも知れませんが、どうかお大事に。
実は足以外にも右の腕と掌が気になるのですが、化膿しないで早く完治
すると良いですね。
次回は477とかをのんびり走ってみて下さい。」
ごめん、俺が馬鹿でした。これからは、のんびりフル装備で走るよと
返事を書こうかと思ったけど、照れくさいから書けなかった。

このケガがきっかけで、予防と、人に対する偏見については考えを改めた。
会社の同僚と飲みに行ったり、上司とうまく話せるようになったのも、この
頃からだったと感じる。何かと気遣ってくれた事が身に染みた。
いつかまた会えたら、中途半端な「ありがとう」じゃなく、心から「ありがとう」
と「ごめんなさい」を伝えたい。

540 :774RR :2005/04/14(木) 07:42:23 ID:Pd3jplIE
昨年の夏に高知へ行った。
夏真っ盛りで走ってても頭がクラクラするくらいの炎天下。
R439の全線走破目指して2日目の午後、中村市に近いところまで辿り着いた。
辺りにはなにもない川べりの道端にビーチパラソル立てて、
一人の婆ちゃんがスイカとトマト売ってた。
オレは水を張った樽の中に浮かんでるスイカとトマトに魅かれてバイクを停め、
「おばあちゃんココで食べてもいいか?」と聞いた。
婆ちゃん笑って椅子を出してくれ、小さなスイカを四つに切ってくれた。
ほんのりと冷えていて、喉が渇いていたオレは二切れを一気に食った。
「トマトも食うか?」
そう薦められて歪な形の、それでも真っ赤に熟れたトマトを一つ頬張った。
「なあツトム、」と婆ちゃんがオレに話しかけた。
「今日は学校休みなんか?」
オレは食いかけのトマトを握り締めたまま婆ちゃんの顔を見た。
ビーチパラソルの青い色の下で、婆ちゃんは優しそうに笑ってた。
「そいともこれからか? 学校は」

婆ちゃんがボケているのだと気づくまでに少し時間が必要だった。
「そうだよ、今日はこれから学校なんだよ」
そう答えると婆ちゃんは何度も何度も肯いて、
「ツトムはちいこい頃からよく勉強しちょったなぁ」と笑った。
「このオートバイはツトムんか?」
「気いつけんといかんぜよ、バアちゃん泣かさんちくれよ」
「今年は台風がよう来よっと西瓜みんな割れてしもうた」
婆ちゃんはオレの返事などお構いなしに独りで話し続けた。

高くて真っ青な空に、夏雲が飛んでいた。
青草の匂いのする風が、オレと婆ちゃんの座っているパラソルを時々揺らした。
なんにも音のしない本物の夏が、ただキラキラ輝いてた。
トマトの濃厚な味を感じながらツトムって誰だろうとオレは思った。
婆ちゃんの孫だろうか? それとも息子だろうか?
このトマトを食い終わるまでの間だけ、オレはツトムになった。
今年もまた夏がやってくる。
高知の西の川べりに、またあの婆ちゃんはスイカを売るのだろうか?




     

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