嗚咽 その2 より
- 444 名前:大人の名無しさん 投稿日:02/03/20 02:32 ID:JA/70pQW
大学時代の友達が死んだ。38歳だった。
俺は男で、そいつは女で、でも恋愛関係なんかまったくなくて、
ただただ、普通の友達だった。お互いの恋愛の相談をしあったり
愚痴をこぼしあったりするような関係だった。
8年前に乳がんになって手術を受けた。見舞いにいった。
「いやあ、まいったよ」
とそいつは明るく言った。かける言葉がなかった。
それからは再発を防ぐための治療をしつつ生活を送っていた。
仕事もそれなりにこなしていたと思う。何度か飲む機会があった。
相変わらずだと言っていた。こっちも、そのままなんとか
なるんだろうと気楽に考えていた。
数年前に、がんが再発した。仕事を辞めて治療に専念することに
なった。メールでのやりとりは続いた。深刻な事態になるとは
思わず、軽口ばかりのメールだった。
そうはいっても、なんとか生き延びるだろうと思っていた。
でも、死んでしまった。
生きているうちに見舞いに行けばよかったと悔やんだ。
遠かったから、忙しかったから、理由はいくらでもあったけど、
そして、行ったからといってあいつを助けることは
できなかったのははっきりしてるんだけど。
メールでだって、もっとちゃんといろいろ話したり励ましたり
できたはずなのに、俺はそれをしなかった。
葬式に行った。行ったことのない町だった。
棺桶のなかのそいつは、昔と変わらない顔をしていた。
ご両親に挨拶をしてから帰ろうと思った。
お母さんの顔は、あいつにそっくりだった。
それに気づいた途端、目の前がぼやけてしまい、
なにか言おうとしたら、涙が止まらなくなった。
おまえ、元気で生きていれば、ああいう感じのおばさんに
なったんだろうにな。もともとおばんくさかったけどな。
そう思ったらたまらなかった。
帰りの新幹線で酒を飲みながら、お母さんの顔とあいつの顔を
思い出すたびに泣いた。
- 447 名前:大人の名無しさん 投稿日:02/03/20 15:08 ID:HBHCeIZK
- 20代の頃の話。男友達から『もう付き合えない』と手紙が来た。
彼には非常に仲睦まじい恋人がいるのだが、自分と面識は全くない。
しかし彼女は、十年来の付き合いで、未だに彼と当時の仲間で遊びに行ったり
呑んだりする私に物凄く嫉妬し、友人であるのはおろか、私が存在
してることそのものが嫌だと言うのだそうだ。ある時など、狂ったように
錯乱して「殺しに行く」と叫んだそうだから。
全然そんな付き合いじゃないのに、友達として、本当に友達として
凄く大切だったのに。もう付き合えないのか、会えないのかと、
呆然としながら、昔から今までの思い出を涙をボロボロ
流しっぱなしで一夜明かした。
翌朝とんでもなく腫れたまぶた・充血した目で出社した自分を、上司が
呼び止め
「どうしたんだよ、花粉症ひどいのか?」と訊いてきた。
上司と部下とは言え、中壮年ばかりの凄く小さい職場で、
一番歳が近いせいもあって個人的な相談をする、される事があり
「親友が、彼女に君と付き合うなって言われたから、って絶縁をしてきた」
と思わず正直に話すと、上司はちょっと苦笑いをしながら
「そりゃしょうがないよ。お前より彼女を選んだって事なんだから。
だけどさ、ソイツがもし彼女と別れて、お前にもう一度連絡を取ってきたら
『私はそんなに都合のいい人間じゃないよ!』って殴るなり蹴飛ばすなり
してやれ、な」
と言った。口が悪くて、職場では『すちゃらか課長』とまで呼ばれるような
上司なりの優しさが伝わってきて、部屋に2人しかいないせいもあり、
もう泣きすぎて目が痛いというのに涙が止まらなくなってしまった。
そして先日、人づてに彼と彼女が結婚したという話を聞いた。
彼との記憶や絶縁は、もう苦い思い出として昇華してしまった。
だけれど、幸せを祝う事さえもされたくないのだろうと思うのが
少し辛い。そして、上司のあの台詞を実行に移せなかったな、と
思うと、あの時の上司の優しさを思い出すと寂しい。
でもそれももう全て過去の出来事となり、涙が流れないことが
一番悲しいかもしれない。
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